アメリカスポーツ観戦記(ボストン編)
気がつけばアメリカの旅もあと2泊を残すばかりとなってしまいました。
この旅の最終目的地、ボストンへと向かうことにいたしましょう。
NYからボストンへは、当初ハァ坊さんが車を運転しようかとおっしゃられてました。300kmくらいだし、フリーウェイだからさほどむづかしくないだろう、とのことでした。
が、知らない土地で不慣れな道を長距離移動するのは大変だろうし、旅の後半戦で長距離ドライブはさぞ疲れることだろうと思いました。
かといって飛行機で移動するのも味気ない。そこで「世界の車窓から」を気取って、鉄道で向かうことにしたわけです。
アメリカでは長距離移動は車か飛行機かという文化ですが、限られた大都市間はAmtrakという鉄道で結ばれております。今回はこのAmtrakご自慢の最新鋭特急Acela Expressを利用することにいたしました。
Amtrakはインターネットでチケットの購入が可能です。クレジットカードで払込をして、現物のチケットは駅の窓口で、という形になります。
ところでAmtrakはオンラインではチケットう購入とキャンセルはできますが、便の変更はできません。変更するには電話してください、と言われますがいきなり国際電話ですか(笑)
我々はNY Penn StationからAmtrakを利用しました。まず案内板に従ってAmtackのチケットカウンターへ向かいます。そこで予約番号を伝えると、チケットの発行となります。ここで確認のために外国人はパスポートをみせる必要があります。
チケットを受け取るとその左上のほうにクレジットカードホルダのサインをするようにと言われます。これはチケットの左側が車内で車掌に回収されることで、Amtrak側の受領書となるからです。
ので、ここにサインするのはネットで予約の際に使用したクレジットカードホルダになり、チケットを持っている人の名前ではありません(と窓口で説明されますけどね)。
あとは列車の出発を待つのみです。
日本の駅と違うのはプラットホームで待つのではないことです。駅構内の待合室でアナウンスを待ちます。すると「BOSTO行きのAcela Exppress XXXX号はXX番ホームからの出発です」と説明がアナウンスされます。これを聞いてから、該当するホームへの扉前に向かいます。この扉は出発前にならないとあかない形になってます。
ちょっと勝手が違うので戸惑いました。一番戸惑ったのが、チケットに座席番号が書いていないこと。なんでも、席は指定ではないのだそうです。ちょっと意外。
あと、長距離旅行客用にトランクをキープしておく置場が各車両の入口近辺に用意されております(特急はるかなどと同じですね)。
というわけで無事出発であります。
鉄道旅行好きな小生としては、今回このAmtrakはおおいに期待しておりました。
鉄道旅行の好さは、道すがらの風景を眺めることでキチンとその土地を旅している実感が得られることです。飛行機で点から点へと移動するので風情は感じられませんわな。
NYを出るとしばらくは町並みが続いておりましたが、気がつくと海沿いの湿地をなめるように列車は走っておりました。この路線はずっと海沿いを走っております。延々と続く湿地、葦原。河口が近づいて緩やかな流れとなり水がたゆとうている。起伏のある景色ではないものの、眺めていると何とも言えずやさしい気持ちになってゆける景色だ。
時折森の中を列車は進む。アメリカのこのあたりは針葉樹よりも広葉樹が多い。だから、この季節は森は黄色く色づいている。
しばらく黄葉の林を走ったかと思うと、ぽつぽつと港町が見えてくる。うーん、NYだけが特殊でアメリカは走れど走れど田舎なのだなあ!
土地土地の移ろいゆく風情を楽しむ。まさに鉄道旅行の醍醐味であります。
NYからボストンへは3時間ほど。もちろん飛行機使ったほうが早いし便利だとは思いますが、やはり旅には旅情を求めたくなるものです。まぁ、日本の鉄道になれていると結構な揺れ具合には驚くかもしれませんが、座席は飛行機のものを転用しているようで座り心地は快適ですし、座席間隔は新幹線なんぞよりゆったりしております。
東海岸を移動される機会がありましたら是非Amtrakを使ってみることをお勧めいたします。
さて、BostonはBackBay駅で下車。ここは終点のひとつ前ですが、レンタカーを借りたりするにはこちらのほうが便利と判断しました。
駅を出ると、観光案内版のようなものなどなく、少々途方にくれます。Amtrakは決して便利の好い所に駅があるわけではないときいておりましたが、まさにここもこんな感じ。結構な繁華街と聞いていたのですが……(後から繁華街とは反対方向であることが分かりました)。
ここから地図を片手にレンタカーショップまで徒歩で移動。道すがら「道がわからないのかい?」と親切な声をかけてくれた紳士がいらっしゃいました。つーか、こういう親切ってアメリカにきて初めてな気が(店員のつくり笑つくり親切ではなく)。Bostonっていい街かも(笑)
町並みの方ですが、赤煉瓦造りの瀟洒なフラットが道の両脇に並んでおります。これまたでかい庭にでかい家というアメリカスタンダードとは異なった、一言でいえば欧風な街です。きちんと積み重ねられた時間を感じます。Boston市民が、NYに対してある種の誇りを持っている背景ってこんなところにあるのかもしれませんね。
とか言ってるとレンタカーショップに到着。ここで店員から「ダイスケーはよかったよ」とリップサービス(笑)。「あれはいい日本からの輸入品だったろ?」と答えておきました(笑)。
まず今日の宿のHolyday Innへ向かいますが、途中にかの有名なFenway Parkがありますので、せっかくだから観光してみましょう。
……にしてもBostonの市内道が込み入ってて走りづらい(苦笑)。やっとこさFenwayに到着です。
小さい球場とは聞いてましたが、たしかにそのとおり。ですが、赤煉瓦づくりでそちこちに古びた感じ、というか実際崩れているところもあるわけですが、それも含めて90年以上の歴史を感じさせる球場であります。巨大なドーム球場などからみれば収容人員はずっと少ないのですが、この規模がこのデザインとあってるんでしょうねぇ。ここで試合を見れたら楽しいでしょうナ。
などといいつつみやげ物屋に入ったら、詰襟黒服の少年たちが(笑)。ここはBostonですよ、東海岸ですよ。修学旅行でアメリカはBostonまで来るって、いったいどこのボンボンの高校ですか(涙)。
といいつつHoliday Innへ到着。荷物を放り込んでBoston観光へと向かいます。
BostonのPublic Transportは市電です。途中から地下に潜りこむので地下鉄かと思われがちですが、デカいパンタグラフにチンチンと鐘を鳴らしながら走る姿は市電であります。
で、この市電、ガイドブックには1$25セント均一料金とかいてありましたが、どうやら今年から2$に値上げになったようです。我々は1$25セントを料金入れに入れると、運転手のオバサンが「いまは2$なのよ!」。要領を得ず首をかしげる東洋人をみてあきらめたのは「まぁ、いいわ。奥の方に行って」と事なきを得ました(笑)。
宿最寄のKent Street停留所から目的地のNorth Stationまでは大体20分?くらいだったか、もうちょっとかかってたか。North Stationはでかい駅で、ちょっと賑やかな地区に隣接してありました。今日の最終目的地、TD Bank gardenはこの駅の一部と化しております。そういう意味で言うと、Boston周辺部からNBAを見に来るには非常に便利ですね。
試合会場を確認したところで、まだ時間があるのでBostonを観光してみることにしました。
TD bank gardenから数ブロック歩いたところで、Boston名物フリーダムトレイルにぶつかりました。このトレイルというのは、独立戦争初期の舞台となったBostonの名所を巡る散策路です。といえば聞こえはいいですが、町中に赤い線がずーっと続いていて、観光客がこの赤線を頼りに歩き回っているわけです。分かりやすいとはいえ、ちょっとわかりや過ぎな気がします(笑)。
あと、当然ながら独立戦争の基礎知識がないと、なんだかなー、な散歩で終わってしまいますね。
夕方からスタートだったので、寒さは増してくるし、どんどんと日が落ちてくる。途中であきらめてやや早めの夕食をとることにしました。入った店は創業1824年というアメリカ最古のレストラン、Union Oyster House。石畳の道に面した3階?立てのレンガ造りの建物は、アメリカ最古!というほどの威圧感ではなく、なんとも暖かい雰囲気が感じられます。
後から知ったのですが、夕食時はいつも満員で予約しないと1時間以上またされるそうなんですが、我々が入ったのは5時半くらいでしたから、意外にサクっと入れました。
頼んだものは、とにかく寒かったのでまずはクラムチャウダー。これが暖かく、かつホワイトソースの味が濃すぎずによい感じです。あとからじわっと貝のうまみが口の中に広がってくれます。
次はオイスターレストランですから、当然カキを。ハァ坊さんは生牡蠣を食いたかったようですが、旅先で生牡蠣ってのはちょっと怖かったのでパス(笑)。まぁ、生牡蠣なら日本でもいくらでもいいものが食えますからね。それよりはその土地、そのレストランならではの腕を楽しむことができるグリル焼きを頼みました。まだ季節が浅かったからか、あるいはこの土地のカキの種類だからか、カキはやや小ぶり。このカキにパルメザンをたっぷりかけてのグリル焼きが出てきました。なかなかおいしかったですが、贅沢をいえば火を通しすぎでせっかくのエキスが少なくなっていたことですかね。
そしてメインディッシュはロブスター。正直ロブスターって今回Bostonで食べるまで、大味な食い物とバカにしていたんですが、どうしてどうして。鮮度がよいからなのか、ホンノリとした甘味とプリプリとした食感は、正直ロブスターのイメージを一新するものがありました。
更に素晴らしかったのがロブスターの料理方法です。単にゆでたものをデーンと出すのではなく、このレストランで出てきたものは手の込んだオーブン料理でした。まず腹のほうは身を食べやすく切り身を入れており、フォークでせせればソコっと身がカラから離れてくれます。そして、体の方は身をくりぬいて、野菜などのみじん切りと混ぜてペースト状にしてカラに詰めなおし、これをオーブンで焼いておりました。身もおいしかったですが、このペーストがさらに良い。これを身に塗って食べて良し、パンに塗って食べてよし、でありました。
いやー、アメリカで初めて「アメリカのうまいもの」を食ったよ(涙)
NYのイタリアンレストランは単にイタリア料理をNYで食ったにすぎませんが、Bostonのオイスターレストランは、アメリカ料理を出しているわけです。ここまでアメリカ料理=地獄から来たメニューであったわけですが、この点だけでもBostonは素晴らしい! Boston万歳(笑)
さらにレストランで Bostonの地ビール、Sam Adamsも痛飲。薄いブラウン色で、風味はペールエールに近い。これも旨い! トップをほとんど立てずにジョッキの口ギリギリまで注ぐスタイルも面白い。うーんBoston万歳(爆)
などといいつつ、腹を満たしたところで今日の目的地、TD Bank Gardenへと戻りました。ここはNBAはBoston Celticsのホームであります。また同じGardenをNHL Boston Bruinsのホームでもありました。
今日はここにDenver Nagettsを迎えての一戦となります。NBAは正直あまり詳しくないのですが(笑)、Bostonが大型補強で“Big3”というスター3人構成で開幕から絶好調ということは知っておりました。また一方のDenverはC.AnthonyとA.Iversonというこちらもスーパースター2枚看板のチームです。この一戦、非常に華やかな試合となってくれそうな予感です。
今回我々がとった席はネット後方。かぶりつき席から15~6席ほど後方ですが、なかなかに迫力を堪能できる席でした。これまでの試合はアッパーデッキからの観戦で、それはそれで全体の試合展開を見ることができるからよいのですが、一階の盛り上がりも楽しいものでありました。
ちょっと残念だったのは、試合展開がBostonの一方的なものになってしまったところ。途中最大40点差がついてしまいましたので、ちょっと中盤から眠くなってしまいました(笑)。
それでもNBAらしいスーパープレイが随所に見られ、超人たちの乱舞を大いに堪能できました。たとえばきれいなアリュープを豪快にダンクで叩きこむシーンを目の前でみるのは迫力満点。また、目がどこについてるんだっていうビハインドザバックパスには、目の肥えたアメリカのファンもどよめいておりました。
BonstonはBig-3だけでなく2線目、3線目の選手も大活躍で地元ファンは大いに溜飲を下げたことでしょう。
一方のDenverはC.Anthonyが不発。AIことA.Iversonも無理やりにゴールしたにカットインしてゆくものの、有効なポイントは稼げず。つーか今回一番驚いたのはAIが非常に小さかったことですね。まわりが巨人ばかりってこともあるでしょうが、あの小ささでNBAでトップはっているのは驚きです。
あとサプライズとしては、スペシャルゲストでBoston Redsocksのユーキリス選手が観戦に来ていたこと。会場が「ユー!!!」という歓声でどよめいておりました。
あと、これはとくに会場アナウンスで紹介されませんでしたが、むちゃくちゃ縦にも横にもでかい男がCelticsのジャージを着てサイドライン際にいました。背中にはWilforkという名前が……背番号も同じでしたから、おそらくNE PatoriotsのVince Wilforkが特別に呼ばれたんでしょうね。
今季のBostonはRedsocksからPatoriotsからCelticsから、もうイケイケですな。
4Qに入ると圧倒的点差がついたのでCelticsは主力選手をベンチに下げました。それでもボコボコ点を入れるんだから、チームの勢いってのは恐ろしいものです。
試合終了のホーンがなりました。そしてこのホーンが、今回の我々のアメリカでの公式イベントが終わりを告げた瞬間でもありました。


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